暗い夜道

暑さも本番ということで、怖い体験談を一つ、、、。
※私の体験談なのでノンフィクションです。

数年前の秋の彼岸前、9月頃の話です。
お寺に一本の電話があり、家のお祓いをしてもらいたいとの依頼でした。

詳しく話を聞くと、どうやら深夜に天井から毎日、物音がするようだ。
最初はハクビシンなどの動物が住み着いたのか、と思ったようであるがどうも違うらしい。

依頼者は現在の住居に数年前に引っ越しをしてきた。
前の所有者が死去したため、売りに出されていた物件のようだ。
引っ越しをした当初は特に何も起こらなかったが、数日前から物音が突然聞こえるようになったようである。
しかも日に日にはっきりと聞こえてくるようになり、しかも時間が午前2時頃の丑三つ時にするので不気味に思い、依頼をしてきたようだ。

もう、嫌な予感しかしない。。。

依頼宅、到着。お祓い、、、

数日後、依頼者の元へ。
閑静な住宅街にある築30−40年の一軒家。
庭もあり家庭菜園もしているようだ。

依頼者Aさんは60代男性。ひとり暮らし。
奥さんとは数年前に死別。
一人息子は東京に暮らしている。

住居にお邪魔すると、一人で住むには広い家。
物置部屋には息子さんのものだろうか、たくさんの荷物が置かれている。
バイクのヘルメット。
ロック・バンドのTシャツ。
スノボの道具にギターなどなど。

問題の音がする居間に案内をしてもらう。
・・・特に嫌な感じや違和感は感じない。
居間には神棚があり、近くの神社の御札などが乱雑に置かれている。
端においてあるAさんの机には難しそうな本が並んでいる。
時計があるが時間があっていない。

以前の記事に書いてある通り、私には霊感がない。
わからんものはわからん。
しかも当時はまだ霊断師の資格もないので仏さまに相談もできない。。。

なので、とにかく一生懸命、お参りをしました。
この土地の地縛霊とか、救われない霊とか、因縁の霊とか、、、。
はたまた、土地の障りかもしれない。
もしくは土地の神様が怒っているのかもしれない。
供養をして、家の中全体をお祓いしました。
本人にもお祓いをしました。
1時間ほどかけてお参りが終わった後、御札と御守をお授けして
「ご自身でも御札と御守を持って、供養の為に毎日手を合わせるようにしてください」
と言い残して帰宅しました。

ついてきた霊 〜恐怖体験と不思議体験〜

その日の夜。。。

当時はまだ結婚をしておらず一人部屋でした。
いつもの通り、23時には床につき眠りにつく。
どうも、疲れてしまったようだ。
すぐに、夢の中へ。。。

・・・。あれ。

身体が、うごかない。

目を覚ましたが、身体が全く動かない。
声を出したいが、、、声も出ない。
こ、これが、金縛りか、、、!

金縛りの時は、、、目を開けてはいけなかったな、、、。

・・・。
・・・いる。
絶対に、足元に、何か、いる。

さすがの、霊感がない、俺でも、これはわかる。

全身から嫌な汗が吹き出す。
目は、絶対に、開けない!!
でも、、、。

足の裏に息がかかる。。。
「ハアハア、、、。」と荒い息遣いが、、、。

なんだ、、、これ。
怖い。こわい。

次の瞬間。

ガシッ!!

両足首を掴まれる!
すごい力だ!
ベッドの下に引きずり降ろされる!!
大声をあげて助けを求めたいが、声が出ない。
こわい。こわい。

そして、目を、開けてしまった。
そして、見てしまった。

白い着物を着た、髪の毛がボサボサの女性が、いた。
すごい形相で、なお、引きずり降ろそうとしてくる。

こわいこわいkぉうぃjdfk・・・!!

声にならない声で叫んだ。
もうだめだ、ひきずり降ろされる!!

次の瞬間。

「たすけて」

女の声が、聞こえる。

「くるしい」
「さみしい」
「いたい」
「さむい」

口から発しているのではない。
直接、脳に働きかけてきているような感覚。

、、、助けを求めている?

今日の家のお祓いを思い出す。
もしかして、もっと、供養をして欲しくて付いてきたのか!

そう、直感をする。
そうに違いない。
じゃあ、俺にできることは、、、。

御題目を唱える。

南無妙法蓮華経。南無妙法蓮華経。

・・・声がでる。

必死でした。
必死に、とにかく、この霊のために。
この霊が救われるように。
仏さまに、必死に、お願いしました。
「どうか、この霊がすくわれますように。」
「この霊が仏さまの元へ、いけますように。」

御題目を唱え続けました。
震える声で唱え続けました。
両目を閉じて、唱え続けました。
恐怖のせいか涙がボロボロこぼれます。

、、、違う。
恐怖ではなく、安堵?
安堵ともちがう。。。

感謝・・・?
圧倒的、感謝・・・!!

俺の、感情では、ない。
この、霊の、感情だ。
・・・。

、、、それからどれくらい時間がたったでしょうか。
気がつくと、朝でした。

身体は、じっとりと汗だく。
身体は全身筋肉痛。
そして、昨日の出来事は、鮮明に覚えています。
すぐに顔を洗い、本堂に向い、お勤めの際に昨日の霊のために、供養のお経をあげました。

依頼者からのお礼の電話とさらなる供養

その日の昼ころ、Aさんから電話がありました。

内容は、今までの深夜に聞こえていた物音がすっかりと収まり昨日は数カ月ぶりにぐっすり眠れたことへの感謝の電話でした。

「・・・ですよねー。」

私は昨日起こった体験をAさんに話しました。
Aさんは大変驚かれて、また申し訳無さそうにしていました。

そこでAさんに
「これからお寺に来て、一緒に供養のお参りをしませんか」
と尋ねたところ、
「ぜひ、一緒にお参りをさせてください」
と御返事をいただきました。

その後、夕方に来参したAさんとともに施餓鬼供養という丁寧な供養方法を行いました。
たくさんのお菓子や、飲み物、自宅で取れた野菜などをお供えして懇ろに供養しました。

その後、Aさん宅では物音は聞こえなくなりました。
私も、それっきりでした。

後日談 〜この家に住む限り〜

その翌週、Aさんから電話がありました。
内容は、「これから1年に1回、この時期にあの霊の供養をしたいのでお参りに来てもらいたい」という内容でした。

Aさんは「縁があってこの家に住むようになり、こうして不思議なことが起きた。最初は恐怖だけだったが、今では引っ越してきた時になんの敬意もなく、我が物顔で移り住んだことに申し訳なく思っています。この家に住む限り、この霊の供養をさせていただきたいと思います。
ともおっしゃっていました。

こういう風に思えたAさんに素直に私は感服しました。
なかなか、こうは思えない。

ちょうど翌週からお彼岸が始まる季節でしたので彼岸中にもう一度自宅までお邪魔して、卒塔婆を建てて、お供えをして、供養をしました。

こうして、秋の彼岸になると、必ずAさんから連絡があり、毎年供養と家のお祓いに伺っています。

今年で12年の月日が過ぎました。
Aさんは今でも元気で亡き奥さんの供養をしながら毎日を過ごされています。